競艇の死亡事故について

死亡事故について|

競艇を見ていると、転覆や衝突といった事故を目にすることがあります。
大事に至らないこともありますが、過去には死亡事故も起こっています。

競艇における死亡事故は、どのような時に起こっているのでしょうか。
また、過去にはどういった事故が起きたのでしょうか。

この記事では、死亡事故の原因や実際に起きた事故について紹介します。

競艇における事故

競艇は水上競技なのでボートから投げ出された場合、競馬やオートレースのように地面に叩きつけられることはありません。
また、水なので地面より衝撃が少ないように思えますが、レースともなるとそういうわけでもないのです。

事故が起こる原因

ボートレースの事故の原因のひとつがそのスピードにあります

ボートレースの直線では、時速80kmのスピードが出ています。
ターンでは多少減速しますが、それでもかなりのスピードです。

これだけの速度で走るボートから投げ出されると、その衝撃は地面に叩きつけられるのと変わりありません。
また、ボートから投げ出されれば後続の艇に轢かれる可能性もあります。
訓練学校ではそれらの事故を防止するため、何があってもハンドルを離さないように指導しているようです。

さらに、狭いレース場を走行する場合の体感速度は時速120kmともいわれています。
そのような状態で一瞬の判断をするのですから、事故が起きるのも仕方のないことです。

他には、天候不良も事故の原因のひとつです。
水面が荒れていると目で見るよりもずっとボートの操作が難しくなります。
ちょっとした操作や判断が事故へとつながりやすくなるのです。

転覆

事故で多いケースのひとつが転覆です。
ボートは速いスピードでターンマークギリギリのターンをするので、少しタイミングが合わなければボートは転覆してしまいます。

そして、転覆したときに怖いのがプロペラです。
過去にはプロペラに巻き込まれて足を切断したり、顔面を怪我したりといった選手も存在します。

ちなみに選手責任の転覆には事故点-10点が課せられており、それだけ注意が必要な行為とみなされているのです。

他艇との衝突

他艇との接触も事故として多いケースです。

レースでは、なるべく小回りでターンをするため、ターンマーク付近は艇が密集しやすくなります。
その際、小さな接触はよく起こりますが、その時のちょっとした角度や操作で大きな接触事故となることがあります。

また、モーターの不具合などで失速した艇に後続の艇が追突するケースも存在します。
ボートはかなりの速度で突っ込むので、衝突したときの衝撃は相当なもの。
最悪の場合、次々と艇が衝突する玉突き事故になることもあるのです。

岸壁への衝突

事故のなかには、岸壁への衝突というケースもあります。
これは、レース時のコースアウトによって起こる事故です。

過去には練習中の衝突事故も起きており、モーターの不具合により岸壁に激突した例もあります。

今まで起こった死亡事故

レースを行う上で、避けては通れない痛ましい事故。
これまでどれほどの死亡事故が起きているのでしょうか。

どのくらい事故は起こっているのか?

過去60年間、選手・訓練生を合わせて、31件の死亡事故が起こっています。
2年に1回というペースですから決して少なくありません。

1965年は最も事故が多く、1年で3回の死亡事故が起きています。
しかも、そのうちの2回はわずか1ヶ月ほどの間に起きています。

競艇場別でいうと、若松競艇場が最多の4回、唐津競艇場・江戸川競艇場が3回、児島競艇場・鳴門競艇場・平和島競艇場・大村競艇場・津競艇場が2回、びわこ競艇場・常滑競艇場・芦屋競艇場・多摩川競艇場・三国競艇場・桐生競艇場・浜名湖競艇場・尼崎競艇場・住之江競艇場・下関競艇場が1回です。

年齢の内訳は、20代が11人、30代が13人、40代・50代が3人となっています。

最近起きた死亡事故

松本勝也|

一番最近では、2020年2月 尼崎競艇場にて松本勝也選手(48)が1周目2マークで1号艇の波に乗ったところ、バランスを崩して転覆。
すぐ後ろのボートに接触し、亡くなる事故がおきました。

事故後すぐにレスキュー艇で救助されましたが、地上に戻ったときには心肺停止状態。
AED(自動体外式除細動器)などで蘇生処置がとられましたが意識は回復せず、搬送された兵庫医大(同西宮市)で午後4時12分、帰らぬ人となりました。

大きな外傷はなく、肺に水がたまっていたことから死因は溺死と発表されました。

松本選手は兵庫支部所属として、1991年5月18日に尼崎ボートレース場でデビュー。
長きにわたりA1級選手として活躍しました。

SG競走では2回の優勝戦出場実績があり、通算優勝は42回。
前日までに1798回の1着がありました。

訓練生事故

2016年にはボートレーサー養成所(旧名称:やまと学校)で訓練生の死亡事故が発生し、衝撃が走りました。
長い歴史の中で、養成所での死亡事故は初めてのことです。

減速した前の艇に、訓練生の艇が衝突。
さらに後続の艇に追突され玉突き状態となり、水面に投げ出されてしまいました。

ボートレーサーを夢見ていた若い訓練生の痛ましい事故です。
初めての死亡事故ということもあり、養成所では再発防止に取り組んでいます。

まとめ

2年に1度というペースで起きている競艇の死亡事故ですが、小さな事故に関してはもっと頻繁に起きています
時に不甲斐ない走りになってしまう選手もいるかと思いますが、大きなプレッシャーの中、命を賭けた戦いをしているということを考慮し大目に見なければと感じました。

ヤジや罵声などの心ない一言を発してしまいたくなる時もあるかもしれませんが、ぐっとこらえて競艇を楽しみましょう。

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